こんにちは!
イモムシカアチャンです!
土用の丑の日といえば「うなぎ」ですが、もうひとつ、欠かせない食べ物を知っていますか?
それはしじみです。
しじみのお出汁、おいしいですよね?
日本では、縄文時代から食べられ続けてきた食材です。
江戸時代の頃から、「土用しじみは腹ぐすり」という言い回しが残っているほど、土用の入りはしじみというのが庶民の定番です。
今回の豆知識は、しじみについてです。 調べたものを覚書のようにつらつらとまとめています。

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庶民に親しまれていたしじみ
「納豆としじみに 朝寝 起こされる」という江戸時代の川柳があります。
これは肩に棒をかけ、両端の樽などに食材を入れて売り歩く「棒手振(ぼてふ)り」という行商人の 「しじみぃ~、え~、しじみよぉ~」 という掛け声で朝起こされてしまうという意味。
古今亭志ん生の「しじみ売り」という落語を見るとどんな掛け声だったのかよくわかると思います。
江戸時代には店を持たない、行商人の棒手振りが、納豆や野菜、甘酒、醤油などを売り歩いて庶民の暮らしを支えていました。
水も担いで売る行商人がいたのです。
そして数ある棒手振りの中でも流行っていたのが、しじみなど貝類のむき身を扱う「むきみ売り」です。
江戸の貝採りは、深川の洲崎や、佃島、芝浦などが有名でした。
朝のお味噌汁の具として、土用の丑の日に食べる食材として、しじみは庶民に親しまれてきた食材なのです。
「たくさんに 箸が骨折る 蜆汁」という川柳もあるくらい、身が小さくて面倒だからと汁だけ吸って終りではなく、身もほじくって食べてこその恩恵だということが浸透していたのです。
そのしじみ。
ほじくって食べるのがいかに大変か、ということを貧しさと重ね合わせて小説にしたのが、太宰治です。
「水仙」という小説の一部を引用してみました。1942年が初出です。
蜆汁がおいしかった。せっせと貝の肉を箸でほじくり出して食べていたら、「あら、」夫人は小さい驚きの声を挙げた。「そんなもの食べて、なんともありません?」無心な質問である。思わず箸とおわんを取り落しそうだった。この貝は、食べるものではなかったのだ。蜆汁は、ただその汁だけを飲むものらしい。貝は、ダシだ。貧しい者にとっては、この貝の肉だってなかなかおいしいものだが、上流の人たちは、この肉を、たいへん汚いものとして捨てるのだ。なるほど、蜆の肉は、お臍みたいで醜悪だ。僕は、何も返事が出来なかった。無心な驚きの声であっただけに、手痛かった。ことさらに上品ぶって、そんな質問をするのなら、僕にも応答の仕様がある。けれども、その声は、全く本心からの純粋な驚きの声なのだから、僕は、まいった。なりあがり者の「流行作家」は、箸とおわんを持ったまま、うなだれて、何も言えない。涙が沸いて出た。あんな手ひどい恥辱を受けた事がなかった。
太宰治「水仙」
そこまで凹まなくてもいいじゃないかとも思いますけれども…。
「しじみ」の名前について
日本最古の和歌集「万葉集」にも「しじみ」は「四時美」として詠まれています。
心に秘める恋心を謳ったようです。
「住吉(すみのえ)の 粉浜(こはま)の四時美(しじみ) 開けも見ず 隠(こもり)てのみや 恋ひわたりなむ」
住吉の粉浜のしじみが殻を開けないでこもっているように、私も想いを打ち明けもせず、じっと心に秘めたまま恋続けるのでしょうか という意味です。
歴史が古い貝、しじみ。
殻が小さく縮んでいるように見えるので「ちぢみ」が次第に「しじみ」という呼び方になったと言われています。
ちなみに、現代では「しじみ」を漢字で書くと、「蜆」となりますが、なぜ、虫なのでしょうか?
「虫」という字は、昔は「蟲」と書くのが正式でした。
画数が多いので、新字体として「虫」が採用されたそうです。
元々の「蟲」という漢字には、蛇(へび)や、蟹(かに)、蝦(えび)などの意味も含まれ、「ちいさなもの」を表す漢字でもあります。
浅瀬に姿を現す小さなしじみは、虫(小さなもの)+見(現れる)と書いて、「蜆」と名付けられたのだそうです。
しじみの旬は年に2回
1年を通して食べられますが、旬は夏と冬です。
夏は「土用しじみ」、冬は「寒しじみ」と呼ばれ親しまれてきました。
特に、産卵をひかえた夏のしじみは、旨味がぎゅっとつまっています。
しじみは初夏に産卵するため、産卵までに栄養を蓄えておく時期、4月頃が一番美味しいという説もあります。ちなみに、「423」の語呂合わせで、4月23日は「しじみの日」とされています。



土用しじみは「腹ぐすり」
夏に採れるしじみは産卵を控えています。
旨味も栄養もたっぷりです。
小粒の貝にも関わらず、しじみは二枚貝の中でも良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。
このたんぱく質を構成しているのが、アミノ酸の一種であるタウリン、アラニン、グリコーゲンなどで、これらはよく知られているように、肝臓の働きを助けてくれる効能があります。
その他にも、たんぱく質や糖質などをエネルギーに変える際に欠かせないビタミンB2、脂質代謝や造血作用の働きを持つB12も多く含まれています。
さらに、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムなど、暑い時期には汗とともに排出されて不足しがちなミネラル分も豊富です。
薬膳や食養生では、糖尿病による黄だんやむくみ、口の渇きを解消し、目の疲れをとり、肝臓の解毒作用を促進する効能があるとされています。
江戸時代の「和歌食物本草」では、
蜆貝 冷もの熱を よく冷ます 目を明らかに 酒の毒消す
とあります。
しじみは、体を冷やす性質で、熱をよく冷まし、目をはっきりと見えるようにして、二日酔いを改善します という意味です。
これらの薬効を身をもって知っていたのでしょう。
新鮮なしじみの見分け方
水のきれいなところで育ったしじみは、つやつや光沢のある明るい茶色の殻で、表面の筋が細く、柄がはっきりと見えます。
口が開いているものや殻の割れているものは避け、口がしっかり閉じられているものを選びましょう。
水に入れたとき、すぐに水を飛ばす貝は新鮮な証拠です。
調理のポイント(冷蔵の場合)
貝には砂が入っていることがあります。
「じゃりっとした砂の食感は嫌い」という人は多いはず。
しじみをおいしく食べるためには、やっぱり砂抜きが大切です。
- まず流水でこすり合わせるように洗い、すべての貝が浸かるたっぷりの塩水(水に対して塩1パーセントの濃度)に浸けます。
- 薄暗くすると貝がリラックスして砂を吐き出しやすくなるため、新聞紙をかけて夏は3時間、冬は5時間置くのがおすすめです。
- 冷蔵庫ではなく常温に置きましょう。しじみは水から煮るとおいしいだしが出るので、弱火でコトコト煮て、旨味をじっくり引き出します。
しじみは冷凍がおすすめ
1回で使い切らない場合は、砂抜きしたあと水を切り、保存用の袋に入れて冷凍庫で保存してみてください。
貝が半開き状態で、触っても閉じない場合は死んでいるので捨ててください。
冷凍したしじみは、オルニチンの量が増え、うま味も増します。
料理に使う時は、解凍せず凍ったまま加熱します。
ただし、冷凍しじみは急激な加熱をしないと貝が開かないので、沸騰した湯に冷凍したままのしじみを軽く洗って入れます。
※実は、カアチャンは、コープの冷凍しじみを買っています。砂抜きしたしじみを急速冷凍してあるので、とても便利です。いつも冷凍庫に入れてあります。
しじみの薬効をおいしくいただくレシピ



やっぱり、お味噌汁です。
お酒を飲んだ後は、ラーメンではなく、しじみのお味噌汁にしましょう。
味噌には二日酔いを防ぐ効能があります。
しじみは、寒性の食材なので、温性のねぎやあさつきを散らしたり、山椒粉を振って辛味を足すと、貝の毒消しにもなりますし、しじみのお味噌汁の効能も増しますよ!
インスタグラム短歌・狂歌
インスタグラム@imomushikaachanに投稿している短歌・狂歌です。31文字4500首を目指しています。デザイン画像はCANVAで作成しました。
31文字の縛りがあると感情をコントロールしやすいので、 せっせと書いています。
ここに載せたものは以前投稿したものです。この頃はこんな気持ちで短歌を作っていたんだなぁと思うと、短歌って感情の記録なんだとつくづく思います。


















それでは、おやすみなさい。