山小屋の周りには白樺の木がいっぱい。
雪を押すピステンとかいう車が入れないので、トオチャンとカアチャンは毎年雪片しをしてる。
ちゃこです。
あたしは雪片しの間もすやすや寝てるけど。
この山小屋は、トオチャンがあたしのためにリフォームしてくれたもの。
とても古い古い小屋。
あたしはペット用ホテルが嫌いで、飲まず食わず出さずのボイコットをするものだから、あたしも一緒に山遊びできるようにしてくれたの。
お金はかけられないから夏の間にコツコツリフォームしてくれたんだよ。
雪片しも人に頼めばそれなりのお金がかかるから、ジョセツサイズとか瞑想などと称して二人で頑張っていたのだけど、
今年はトオチャンが背中ぎっくりや首ぎっくりになって、できなかったのね。
ほったらかしにすると屋根まで雪で埋まって壊れちゃうんだよ。
今回久しぶりに雪片しにきたら、雪を押す車でいつも山道を整備してくれる人が、ありがたい提案をしてくれたみたい。
なかなか来ないから心配してくれていたみたい。
「今年はアルバイトに山師がいるから、その人にこの木とこの木を伐採してもらいましょう。そうしたらこの車で、道の整備のときに合わせて雪を押しておけるから!」
普通は、大きな木を伐採してもらうためには、何十万円ものお金がかかるんだよ。危険な仕事だからね。
今度会うときは、大好きなお酒なんかをいろいろ買って持っていこうね。
それから、白樺の木にもお神酒を捧げようね。カアチャンは、白樺の木一本一本とお話してたよ。
白樺の木は、パイオニア。いずれ、植生が変わりブナの森になっていく。
切った白樺の木には、きのこのコマを打って、残りは薪にして、山の恵をありがたくいただくんだって。
足元には幼木がたくさん。この幼木に陽が当たり急に伸びてくるんだろうね。
ありがたや、ありがたや。